柳川たみ

絵と詩を書いています。「無文芸」という詩の冊子を作っています。

詩 20181019

野焼きの匂いと
空にたなびいている薄い雲が
線香をおもわせて
甘くさびしい気持ちになる

時間が過ぎてきたのだな
自分が子供だったなんて

柿が重たく甘く匂い立つ
薄青い空を背に
か細い枝にたわわに実を抱え込んだ柿の木が
お化けのように立っていて
根元にはいくつかのどす黒い実が
落ちて崩れている

永遠の 止まった時間
耳鳴りのよう
何かがにんまりと不気味に笑っている