柳川たみ

絵と詩を書いています。「無文芸」という詩の冊子を作っています。

詩2020.9.14/素直

素直になること 正直になり 防具をとり裸になり 生贄に身をささげる その先は知らない

20200329詩

駅を出たら 霧雨が浮かぶように降っていて 家路 という言葉を思いながら 駅のロータリーを横切ると 霧雨は星座のような形を 夜闇の中に描いていて その星座の中を私は 帰っていった

20200326詩

濃い灰色の 凹凸のある地面が見える ほのぐらく 浮かび上がってくるよう (あの濃い灰色は 誰か、男の人のセーターの色だ) 昼に見た池の底だろうか? 凹凸は魚になって ゆっくりと泳いでいる 「現実界」について考えていた昼の事だ

説明

ビー玉が等間隔で重力のままに落下する軌道が作るストライプなのですいいかえれば分断されているのです そういうわけで散歩の途中空気がほおずりしてきて親密なくつろぎを感じたのでしょう

ふらっと

たまに 心がとても平静なときに ときどき 見渡す限りなにもない 灰色のコンクリートの台地を 歩いているような気分になる 体温とおなじ温度ほどの微風が 肌をなでていくが 熱くも冷たくもなく ほとんどなにも感じない コンクリートが溶けて 私の形を呑み込ん…

石の間を 流れるひとすじの血 錬金術の 沸騰した水銀が 流れ落ちて溜まりをつくり 聴こえない領域の音をたてる 夕暮れの沈黙の中 --------------------- 詩になっていないかも。

詩 20181019

野焼きの匂いと空にたなびいている薄い雲が線香をおもわせて甘くさびしい気持ちになる 時間が過ぎてきたのだな自分が子供だったなんて 柿が重たく甘く匂い立つ薄青い空を背にか細い枝にたわわに実を抱え込んだ柿の木がお化けのように立っていて根元にはいく…

詩_20141021

風で あなたの髪が みだれた (その瞬間が たしかにあった) 振り向いた あなたの顔は 逆光で暗かった 笑っていたような気がする 怖いくらい 空が青くて 風は 甘い香りがして すこし冷たかった 何度も 繰り返されたことの ような気がした

詩_20141020

朝方 出かける人の 白いシャツの背に 木陰が 流れる 血しぶきのように